この話はNo.276「週刊やっぱり猫が好きあなたのために」の後日談となります。
「ようこそ山百合会へ、黄薔薇のつぼみ」
「白薔薇のつぼみ、よろしくお願いします」
「菜々ちゃんは犬と猫どちらが好みなの?」
「そうですね、犬でしょうか」
「そうなの?………」
「意外ですか?」
「うん。期待してただけにね。2年生は祐巳さまの影響で犬派というかイヌ科派が多いんだよね」
「すみません。でも、犬は刺激的ですよ」
「そうなんだ?」
「なんというか、リードをつけないで散歩するスリルは最高ですよ。いきなり走り出して何が起こるかわかりませんしね」
「ああ、そういうこと。あの方ずっと猫だとおもってたよ」
「そうなんですか」
「リードはつけてくれないかな、山百合会としては」
「つまりませんよ」
「新聞部の真美さまと話が合うようなそうでないような気がするよ」