私は賢者蓉子…。
「貴方、どうしてもやめないのね…?」
三賢者(通称MAGI)のうちの一人……
「ああ、やめるつもりは無いね。こんなチャンスは二度と無いからね。」
赤の賢者(マギ・キネンシス)だ……
「そう、仕方が無いわね……。」
そう言って、私は、炎の神槍ローレライを聖に向ける…。
「私だって、やられてばかりじゃ無いよ…。」
聖はそう言い、聖なる神剣エクセリオンを構える…。
私はゆっくりと間合いを詰めながら、半円を描くように動く。
聖は隙を見せず、私の動く方向と反対方向に動きつつ、間合いを詰める
………一瞬、強い風が二人の間を吹き抜ける。
そして同時に仕掛ける。
「汝裁つ、この刃…。告死ロストセフィ!」
「これが神意、裁きの時…。告死ディザレスタ!」
炎の槍と聖光の刃が今、当に交差す……
「やめい!」
ザバー
突然、水を浴びせられ、私と聖は立ち止まり、水が来た方向を見る。そこには、桶を二つ持った凸一人。
「あなた達は、たかが喧嘩でこの辺り一体を焼き野原にするつもりなの?面白いけど、さすがにそれはヤバイわ。」
非常識の塊にまともな事を言われ、とりあえず落ち着いた。
「…ありがとう、江利子。」
「それはいいから、一体何があったの?(ワクワク)」
期待に凸が眩いている……。
「…聖がね……。」
あらすじはざっとこうだ。
「聖、何処に行くの?」
キリストの生誕地について早3日。未だに私達はキリストに会っていなかった。
そんな中、聖がかなりの上機嫌で、出掛けようとしていた。
「お、蓉子。ごきげんYO!今からキリスト様の所に行ってくるの、サー!」
とは言うものの、その格好は、明らかに、いつものナンパ用一張羅だ。
「貴方、まさか…、マリア様に手を出す気じゃ……」
「げっ!?バレてた!?」
…やっぱりかー。私は深くため息をついた。
「だ、だってさー、遠目からだったけど、あれはかなりの美人だよ?」
「……駄目に決まってるでしょ。今回ばかりは貴方の軽率な行動が、私の命に関わるのよ。」
私は聖を捕まえるために、間合いを詰める。
「…くっ!でも今回ばかりは、諦められない!」
そう言って、神剣をかざす聖。
「やるのね…?」
私も神槍をかざす。
〜そして冒頭へ〜
「こんな訳なのよ。」
「なるほどね、じゃあ、今から行きましょうか。」
「…えっ?」
続く