くりくりした丸い目玉。
ふさふさで真っ白な毛皮。
ちっちゃいくて、可愛い姿。
知ってる人は知っている。
ポルボォーラであ〜る。
それが、何故か、薔薇の館の椅子の上でチョコレートをパクパク食べている。
「……ごきげんよう、祐巳さん。何してるの…?」
「あ、由乃さん、ごきげんよう。見て見て。可愛いでしょ?」
祐巳はそう言いながら、『ポルボォーラ』の頭を優しく撫でている。
「……あー、そうね。可愛いわね。」
由乃はそう言いつつ、すぐさま回れ右をして歩き始める。つまり、扉に向かって。
「…?どうしたの?由乃さん?」
『ポルボォーラ』にチョコを手渡しながら、怪訝そうに尋ねる。
「私、今日用事があって帰るから、それを伝えに来ただけなの。だから、もう帰るわ。」
と言いつつ、足早に扉に向かう。
「じゃあね、祐巳さん。ごきげんよう。」
そして、祐巳が何か言う前に、あっという間に部屋から出ていった。
「……変な由乃さん。」
そして、改めて『ポルボォーラ』に向かい合う。
「さあ、チョコレートだよ〜」
そこにはポルボォーラのぬいぐるみ(?)を被った瞳子がいたそうな。