蓉子と江利子と聖が、薔薇の館で仕事をしていました。
何かの書類をホッチキスでがっちゃんがっちゃん綴じている模様です。
蓉子はいつもの通り、聖もめずらしくがんばっていましたが、江利子は気だるそうな表情を浮かべて、まったく手を動かしていません。
蓉子は腹を立てながらも、江利子の分の作業までしていましたが、ようやく手を動かしたかと思えば、
「・・・こうよ。大胆に」
と、かなりいい加減に書類を綴じたその様子に、とうとう我慢の限界です。残り僅かになっていた書類を引っ掴むと、
ばしっ、と江利子の前に叩きつけました。
「居るだけ? 四部残り、江利子の分よ!」
「気だるい・・・」
書類を前にしても全く意に介さず、だる〜んと机に突っ伏す江利子に、蓉子はもう怒り心頭、大爆発寸前です。
しかし、そこは聖が何とか押し留めました。
「・・・忍耐だ、蓉子」
そう。この瞬間、波乱は起きていたのであった。
何と、蓉子たち三人の台詞が 「なかきよ」 になっていたのである!