【498】 猫語で侵略する  (デプレ 2005-09-08 23:55:48)


マリア様像前で。
「ごきげんようにゃん。瞳子ちゃん」
「あら祐巳様ごきげんよう。って……どうなさったんですか?!その発言と……格好。」
「にゃに?変かな?」
「い、いえ。その……。」
そのネコミミと尻尾ですわ。祐巳様。
茶色のネコミミと尻尾で、祐巳様の色素の薄い髪の色によく合っていて、その、とてもとてもかわいらしいですわ。
でも。
「祐巳様は紅薔薇のつぼみなんです!そのようなおもちゃをお付けになって!もうちょっときちんとなさってください!それにその言葉遣いもお改めになった方がよろしいのではないですか!」
瞳子は祐巳様の保護者にして女優。内心でどんなにかわいいと思っても叱ってあげないといけませんわ。
「にゃ〜ん。そんにゃ〜。」
シュンとうなだれる祐巳様。
どういうわけか、ネコミミも一緒になってピコンとうなだれてしまった。
か、可愛い……。
「せっかく瞳子ちゃんのも作ってきたのににゃ〜。」
「い、いりません!そんなもの!」
「にゃ〜ん。そんにゃこと言わずに今日だけでいいから着けてみてにゃ〜。」
「瞳子はそんなものつ・け・ま・せ・ん・!」
「お願いにゃん〜。」
「もう!勝手にお一人でやっててください!瞳子はHRにまいります!」
カツカツカツ。
危ない危ない。これ以上祐巳様のネコミミ猫語攻撃を受けてたら陥落させられるところでしたわ。
それにしても、猫祐巳様、かわいったですわね……。

ぺろん。

「ぎゃう!ゆ、祐巳様、何を?!」
「お・ね・が・い・にゃ〜ん・♪ぺろん」

瞳子、陥落。


教室で。
「ごきげんようにゃん、由乃さん。」
「ごきげんよう。……って、祐巳さん、朝から脳みそとけてる?」
祥子様になにか言われたのかしら。
それにしても、……かわいいわね。
「にゃんのこと?それより……ごそごそ……はい、これ。由乃さんの分にゃ。」
「え゛?!私につけろってこと?」
「そうにゃん♪」
これは……。
黒のネコミミと黒のネコ尻尾。
確かにかわいいけど……ちょっとねぇ。
「う〜ん、ちょっとねぇ。私はパス。」
「そうだにゃ〜。由乃さんには似合わないかもにゃ〜。黒だと大人の女性じゃないと。由乃さんはかわいらしすぎるにゃ。ちょっと無理にゃ。他をあたるにゃ〜。」
「ちょっと待って!!」
あたしには無理?大人の女性?
ふん、上等じゃない。
伊達にミスターリリアンの妹やってないわ。
エスコートのされ方ならあたしが一番!
大人の女性だって演出してやろうじゃないの!
「やっぱりもらうわ。」
「にゃん♪さすが由乃さん。じゃあ……はいこれ。菜々ちゃんと令様の分にゃ。」

由乃、陥落。

昼休み。薔薇の館。
「ごきげんようにゃん。お姉さま。」
「ごきげんぶっ……。」
「だ、大丈夫ですかにゃん?!お姉さま!」
「え、ええ。大丈夫よ。ちょっと鼻血が出ただけ。今日は少し暑いわね。」
か、かわいすぎるわ!祐巳。
ネコミミネコ尻尾。に、肉球まで?!
「祐巳、ちょっといらっしゃい。」
「にゃ〜ん?」
いつものようにタイを直す。
スルスル。キュ。
「みだしなみはいつもきちんとね。」
「にゃ〜ん♪」
祐巳が動くたびに耳がピコンピコンゆれて……。
ああ、祐巳。
かわいい。かわいいわ!
「にゃん。そうだ、お姉さま。プレゼントがあるんだにゃ。」
「なあに?」

祥子、戦線放棄。

放課後。薔薇の館。
え〜っと、今日の予定は、広報委員会と美化委員会の定例会だから、後で委員長に議事録をもらって……。あと、今日は少し暑いから志摩子さんにアイスティーをいれてあげて……。
ギシギシ。ばたん。
「ごきげんようにゃん。乃梨子ちゃん」
「ごきげんよう。………っ?!」
一瞬、わが目を疑った。
祐巳様を真ん中にゴロゴロと甘えまくっている紅薔薇姉妹と瞳子。
祥子様は目がいっちゃってるし、瞳子は……見たことも無い緩んだ表情をしてる。
その隣では由乃さんを中心に黄薔薇姉妹と菜々ちゃんが。
由乃様にかしづいている令様と。それをながめてクスクス笑っている由乃様と菜々ちゃん。
菜々ちゃんは中等部じゃなかっただろうか。

私が入り口でボーゼンとしていると・・・・・。
「ごきげんよう、乃梨子。」
「志摩子さん、これはどういう・・・・・っ?!」
振り返ると、これまたネコミミの志摩子さんが。
しかもドアップで!
「はいこれ。乃梨子の分よ。」
「えっ?えっ???」
わけがわからない。
志摩子さんをボーゼンとみつめてしまう。
「……。」
「……。」
ネコミミの志摩子さん・・・・・。
「……。」
「……。」
ネコミミの・・・・・。
「……。」
「……にゃ〜ん♪」


乃梨子、轟沈。



カシャ。カシャ。
「うふふふふふふ。」( ̄ー ̄ )ニヤリッ


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