【547】 魔法使いさとう増量  (まつのめ 2005-09-14 17:09:27)


「聖さま、そのイカレたとんがり帽子と黒マントは何ですか」
「魔法使いよ」
「脈絡がないとは御思いにならないのですか?」
「どうしてかな?」
「まず、既に卒業された聖さまがどうしてここ薔薇の館にいらっしゃるのか」
「だって魔法使いだから」
「理由になってません!」
「祥子、あまり怒るとしわになるわよ?」
「誰のせいだと思っているんですか!」
「まあまあ、私は『願いをかなえる魔法使い佐藤聖特別キャンペーン中に付き魔法増量中』略して『魔法使いさとう増量』?」
「無理やりタイトルに合わせないでください」
「というわけで、あなたの願いを叶えてあげるわ。祥子」
「結構です」
「そんなこといわずに、増量中だから魔法の種類がよりどりみどりよ、幼女化、過去に戻ってやり直し、精神交換、二人に分裂、性転換……」
「どこかで聞いたような話ばかりですね」
「あら、ご不満?」
「魔法なんていりません。願いを他人にかなえてもらうほど落ちぶれてませんから」
「またまた、欲しいものとかあるでしょ? お金で手に入らないものが」
「お金で手に入らないもの?」
「そう、たとえば祐巳ちゃんの……」
「祐巳の!?」
「あ、志摩子だ」
「ちょっと、祐巳のなんなの!?」
「志摩子ー、ねえみて、魔法使い」
「まあ、素敵な魔法使いですね」
「そうでしょ。志摩子のもあるんだよ」
「ちょっと待ちなさい」
「はい、増量中だからステッキも付けちゃう」
「素敵(すてっき)ですね」
「上手いっ!」
「恐れ入ります」
「なんか今、目の前が白くなったわ」
「では紅薔薇さま、私が紅薔薇さまの願いを叶えて差し上げます」
「はい?」
「私は『願いを叶える魔法使いシュガー志摩子お祭り期間中はお得な増量中よ☆』略して『魔法使いさとう増量中』……」
「無理やり同じにしなくてもいいと思うのだけど」
「増量中だから魔法もよりどりみどり、ぎんなんがたくさん拾える魔法、桜の下で運命の人に会える魔法、お御堂で思わずカミングアウトしてしまえる魔法……」
「役に立つのか微妙なのばかりね。2番目が妙にまともだけど私は要らないわ」
「そうですか。あら乃梨子」
「わ、志摩子さん魔法使いみたい」
「乃梨子のもあるわよ」
「ちょっと待ちなさい、その帽子とマントいったいどこから……」
「よく似合ってるわよ」
「えへへ、照れるな」
「人の話を聞きなさいってば」
「じゃあ、祥子さま。私が祥子さまの願いを叶えてあげます。私は『願いを叶える魔法使いサテライトリコたんとってもうれしく増量中』略して『魔法使いサとう増量』……」

 以下、エンドレス。


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