細川可南子は苦悩していた。
バスケ部では順調に仲間とうち解けていた。
最初は先輩達にも良く思われていないのがひしひしと伝わってきていたのだが、
最近では先輩達も進んで可南子と組んで練習してくれる。
同じ一年生とも何となく和解し、今では一緒に帰る友人も増えた。
あの時、心を閉ざし、手放したものが帰ってきたような気がした。
父を恨み、全てを拒絶したあの頃。
そこから救い出してくれたのは紅薔薇の蕾、福沢祐巳様だった。
「そうだ、可南子。 お父さんな、今度リリアンのバスケ部にコーチをしに行くことになってな」
始まりは、一本の父からの電話だった。
なぜだか、娘の知らないところで変な話が動いているようだ。
「どうして……」
父は色々とそれまでの経緯を私に話したのだが、その半分も私は聞いていなかったのだと思う。
父が学校に来る。
それは、ものすごく嫌な予感でしかなかった。
そして、父がコーチとしてやってきてから半年後、
二人の生徒がリリアンを去った。
『くぉのぉ、変態ロリコン親父!!!!!!』
私の男嫌いは一生治らなそうです……祐巳さま。
―――――――
こんなタイトルが出てしまったもので………つい。