「聖さま。やめてください」
二人きりの薔薇の館に祐巳の悲鳴が響く。
「祐巳ちゃん。いいじゃない。誰もいないんだしさ」
聖はそういいながら、祐巳の制服を瞬く間に脱がした。
「何やってるの!?」
突然、扉が開く。
そこには、仁王立ちの紅薔薇さま。
「蓉子!」
「紅薔薇さま!」
そういいながら、下着姿のまま、蓉子へ駆け寄る祐巳。
「どういうことだか、しっかり説明してもらわないといけないわね」
そういいながら、ビスケット扉に、鍵をかける蓉子。
「ねぇ、祐巳ちゃん」
振り返った蓉子の顔は、先ほど祐巳に襲いかかろうとした聖の顔と、全く同じ顔をしていた。
そして、蓉子は聖と一瞬見つめ合うとにやりと笑った。
「ねえ、志摩子さん何書いているの?」
祐巳さんの声であわてて、ノートを隠す。
「あーそんなことされたら気になるよ」
「ちょっとね。黄薔薇さまの暇つぶしのお手伝いを」
「へー何しているの?」
「黄薔薇さまが書いたお話に、続きを書くの。結構面白いわよ」
「ふーん。さすがは志摩子さんだね。私にはできそうにないなあ。ねえ、そのお話、今度見せてくれる?」
「え?………、えっと私はいいのだけど、黄薔薇さまがいやがるかもしれないから、黄薔薇さまに聞いてもらえるかしら」
「うん、わかった。じゃあ、先に薔薇の館に行っているね」
祐巳さんとのやりとりが終わりほっと一息をつく。
そうは言ったけど、この話は祐巳さんには見せられないなと思う。
だって、祐巳さんがいじめられ役だし、いじめ役はお姉さまと紅薔薇さまだし。
こんな話の流れになったのは、黄薔薇さまの前ふりのせいとはいえ、何で、あんなにも祐巳さんはいじめられる役が似合うのだろうか、
そして、なんで、あんなにも紅薔薇さまは祐巳さんをいじめる役が似合うのだろうか……。
もちろん、あんな事をする方たちではないから、お話の中だけなんだけど。
志摩子はひどい扱いをしている3人に心の中で、小さく謝った。
しかし、事実は小説よりも奇なりとはよくいったもので………。
「聖さま。やめてください」
二人きりの薔薇の館に祐巳の悲鳴が響く。
「祐巳ちゃん。いいじゃない。誰もいないんだしさ」
聖はそういいながら、祐巳の制服を瞬く間に脱がした。
「何やってるの!?」
突然、扉が開く。
そこには、仁王立ちの紅薔薇さま。
「蓉子!」
「紅薔薇さま!」
そういいながら、下着姿のまま、蓉子へ駆け寄る祐巳。
「どういうことだか、しっかり説明してもらわないといけないわね」
そういいながら、ビスケット扉に、鍵をかける蓉子。
「ねぇ、祐巳ちゃん」
振り返った蓉子の顔は、先ほど祐巳に襲いかかろうとした聖の顔と、全く同じ顔をしていた。
そして、蓉子は聖と一瞬見つめ合うとにやりと笑った。