【62】 笙子冒険者  (joker 2005-06-19 23:01:14)


 最近、私にはとある目標ができました。

 きっかけは蔦子さまが撮られたとある一枚の写真。
究極にして最終にして葬神の一枚。
その前では、たとえアルテマであろうが、メルギブであろうが、キールロワイヤルであろうが、無に等しい。 その名も………

リーサルウエポン祐巳

その写真の前では、犬耳メイドの祐巳さまご本人でも見劣りしてしまう。
その写真を見て、私は切実に思いました。
一度でいいから見てみたい、あんな姿の蔦子さま♪
と。



 現在AM6:30。毎朝早く学校にくる蔦子さまを待ち伏せする為に一眼レフ片手に、校舎の影に密んでいます。もちろん、目的は究極の蔦子さまを撮るためである。
 でも、朝一番の蔦子さまだから、他にも、眠そうな顔して眼をこする場面とか、欠伸する場面とかも撮れるかも。
今日はこのカメラを蔦子さまでいっぱいにするんだ♪

おっと、なんだかんだやってるうちに、蔦子さまが来られたわ。早速一枚。(パシャ)
今日も朝から張り切っておられる様ですね。さすが写真の英雄、蔦子さま。でも少し残念。

…ん?何やら立ち止まって、メガネに手を……、め、メガネを取ろうとしている!?蔦子さまの素顔をカメラにおさめる絶好の機会。逃さずにいられるだろうか、いや、ない。(カメラを構える)
メガネを手にかけ、今、まさに外し



「あーあ、笙子、私の素顔見ちゃったのね。」
目覚めると目の前に蔦子さまが居られる。確かあの時、蔦子さまの素顔を見て……そこから記憶がない。
「あの、蔦子さま、これはいったい?」
「実はね私の素顔を見た人はみんな気絶しちゃうのよ」
「はい?」
 あまりの急展開に間抜けな返事をしてしまう。
「昔から私には変な能力があってね、私の素顔を見た人はみんな気絶してしまうの。学者が言うには、絶世の美貌が備わっているから、なんだとか。
昔はグラサンだったんだけど、印象が悪いから、今は薄い色のついたメガネをかけているのよ。」
ほら、と言ってメガネを見せてくださった。確かにはた目には分からないが色がついている。
こ、こんなの卑怯だ。メガネを掛けたらメガネ萌えで、メガネを外したら究極の美貌。こんなのに、かないっこないよぅ(ううっ)。
「だからさ、笙子。今度から私の素顔、撮ろうなんて思っちゃ駄目よ?」

 私は、もう、うなだれるしかなかった。


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