【693】 天使との邂逅しかしてその実態は  (くま一号 2005-10-04 22:38:51)


「祐巳さま〜祐巳さまっ。」
「なに、瞳子ちゃん?」
「依頼ですぅ。」
「い、依頼ってなによ。私たちは怪盗紅薔薇よ、怪盗なのよ。杏里よ杏里。TMネットワークじゃないのよ、掲示板にXYZとか書いてないの、100トンハンマーとか出てこないの、まして心臓移植で若い娘に憑依したりしないのおおおっ。(ぜーぜー)」

「祐巳さま、そこまで意地にならなくても。最後のはまだアニメ化されてないしぃ。」
「この10月からアニメ始まったわよ。あのね。最近怪盗紅薔薇、出番が少ないじゃない。ここは一発どかーんと決めなきゃいけないのに。」
「祐巳さま、セリフながい。コメントくどい。がちゃSレイニーシリーズの作者陣みなさん引いてしまったじゃないですか。今日、琴吹さまの投稿があってほっとしましたわよ。」
「うーん、それはまずいわね。」
「だから依頼なのですわ。」

「だれから。」
「うちのクラス、一年椿組の敦子さんと美幸さん。」
「それはだめよ、瞳子ちゃん。逃げよう。」
「どうしてですの? 瞳子の中等部からのお友達ですのに。」


「食われる。」


「あ・・・・・・。」
「キャラの勢いで負けてる。絶対、食われるわ。逃げるのよ。」

「かしらかしら。」
「かしらかしら。」
「ポートレートかしら。」
「記念写真かしら。」
「あ、出た。」
「逃げ損ねたじゃないの。」

「それで、祐巳さまと瞳子さんに。」
「探していただけるのですわ。」
「って、あの、話を聞いてくれる? いい子だから。」
「この二人に話を聞いてって言ってもムダだと思いますけど、祐巳さま。」

「私たち、今年のバレンタインデーに。」
「バレンタインデーに。」
「フライング参加いたしましたの。」
「いたしましたの。」

「なのに笙子さんだけあんなにいい写真を。」
「いい写真を。」
「それで、蔦子さまと。」
「らぶらぶに。」
「らぶらぶに。」

「で、私たちへの依頼というのはなんなの?」
「なんなのかしら?」
「瞳子ちゃん、そこで巻き込まれないのっ。」
「はあ、昔は三人組だったものでつい。」

「笙子さんにお聞きしたら。」
「私たちの写真も。」
「あるはずかしら。」
「あるはずなのかしら。」
「らぶらぶするのですかしら。」
「なのかしら。」

「そうなのかしら。」
「瞳子ちゃんってば。冷静にっ。ふーん、蔦子さんそんな写真撮ってたんだ。まさか笙子ちゃんみたいに高等部の制服でまぎれこんだの?」
「まぎれこんだのかしら?」
「瞳子ちゃんっ。」

「スクールコートなのですわ。」
「ただかぶっていただけなのですわ。」
「なのに笙子さんったらお姉さまの高等部の制服まで準備して。」
「やりすぎなのですわ、と思ったらあれで蔦子さまとらぶらぶに。」
「らぶらぶに。」

「らぶらぶはわかったからーーーーっ。」
「蔦子さまの写真を探せばいいのですわね。簡単じゃありませんか。」
「写真部なのかしら。」
「そうなのかしら、って祐巳さまも巻き込まれてるんですけど。」
「えーい、とにかく今年のバレンタインの写真を探せばいいのね。」

「わたくしたちも。」
「らぶらぶしたいのですわ。」
「したいのですわ。」

「って、あなたがたお姉さまがいるじゃない。」

「細かいことは気にしなくていいのですわ。」
「いいのですわ。」
「中等部の記念にきらきらするのですわ。」
「きらきらするのですわ。」

「はいはい、わかったわなのかしら。」
「かしらをつければいいというものではないのかしら。」
「それは私たちに文章力がないから仕方ないのではないのかしら。」
「やっぱり食われているのではないのかしら。」

「かしらかしら。」
「ここで続くのかしら。」

「って、こんなの続くのかよ。」
「瞳子ちゃん、ツッコミが乃梨子ちゃんになってる。」
「うがーっ。」
「あの、一つだけ確かめておきたいんだけど。」

「かしらかしら。」
「なにかしら。」

「あなたがたは、姓のない家のご出身であらせられたりはしないわよね。」
「その話はもう終わったのですわーーーーーー。」


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