「祐巳さま祐巳さま、たいへんですっ。」
「どうしたの瞳子ちゃん、それはリリアンかわら版ね」
「号外なんですよっ。これを見てくださいっ。」
「なになに『怪盗ロッサ・フェティダ現る！』『黄薔薇のつぼみに挑戦状』ななな、なんですってえ！？」
「そうなんですぅ。『由乃ちゃん。有馬菜々は貰っていくわ。返して欲しくば日没までに私達を探し出して御覧なさい。・・・分かっているわね？これはあなたたちの絆も問われているのよ』PUREさまマリみて絵板[12694]チヒロさまのスクープが。」
「絵師さんの許可も取らずに勝手にネタにしたわね、瞳子ちゃん。この写真は江利子さま！菜々ちゃんを抱えているわ。なんか菜々ちゃんがムーミンパパみたいだけど。」
「レオタードですよ、しかもセーラーカラー付きですわ。」
「在学中と変わらない美しいタイの結び方ね。まったく、楽しそうな顔して、江利子さまのこの顔の時は怖いのよ。」
「そういえば本家杏里の主題歌の方も、三女の愛ちゃんのレオタードはセーラーカラーがついていましたわ。」
「やられたわね。」

「これは、わたしたちへの挑戦ね。」
「どうしてそうなるんですか？わたしたちのことなんか見てないと思いますよ。」
「いいえ瞳子ちゃん。たしかにわたしたちはなにも注目されていないわ。でも柊さまのこのランダムキーワードによるSS掲示板の試みは今ちまたで大変な評判なのよ。」
「ええ、それはわかります。あちこちのサイトですごい話題ですもの。」
「知り合いの同人作家さんやいろんな人から聞かれたわ。『柊さまはこのcgiができあがったらシェアウエアとして公開なさらないのでしょうか』『この掲示板欲しいです。欲しがるサイト多いですよ』『@niftyではperlしか使えないんですけどphpから移植できないかしら』などという声が燎原の火の如く広がっているのよ。」

「まあその、わたしたちと直接関係なくてもいいわ、ネタがひとつできたから。」
「あの、祐巳さま、わたくしたちの怪盗紅薔薇ってこのままシリーズ化するつもりじゃないでしょうね。」
「あら、いけないの？これだって立派な『がちゃSの妙なデフォ設定』よ。」
「『がちゃS』ってそういう呼び方があるんですの？」
「冬馬美冬さまの発案よ。『がちゃがちゃSS掲示板』じゃ長いじゃないの。愛称『がちゃS』で世界に広めるのよ。そうするときっと一ヶ月くらい経ったら『シェアウエア　がちゃS掲示板cgi op. 0.9β〜夏〜』とかがVectorか窓の杜あたりにアップされるわ。」
「祐巳さま祐巳さま、お世話になっている管理人さまにそういう妙なプレッシャーをかけてはいけませんっ。ただでさえ本業が過労死しそうに忙しそうですよ。」

「そうよ、だからわたしたちがシリーズキャラクター化してでもがんばるのよ。」
「祐巳さまそれなんかちがーう。だいたいわたくしたちは姉妹なんですか違うんですか。そもそも祐巳さまは今紅薔薇さまになっているんですか？」
「それは『謎』よ、瞳子ちゃん。」
「謎って、えええ、祐巳さま瞳子お目目うるうるして泣きますよっ。」
「だから、原作のどの時点でも、これから新刊が出てたとえ原作がどういう方向へ行ってもシリーズキャラクターが生き残るにはそれくらい耐えなきゃダメなのよ。わたしたちは所詮、闇に生きる影の隠密同心のようなものなのだわ。」
「そんなかっこいいものではありませんわーーーーー。」
「いいえ、掲示板の恥はかきすて、いずれスクロールの彼方に消えるのよ」
「・・・・あの、祐巳さま、ログは今のところ全部残ってるんですけど・・・・」
「いいのよ。せっかくSS道場を公開してくださったのだから、柊さまがあきれて撤退するまで書くのよ。」
「・・・・違う・・・・なんか違う・・・・そもそも道場って・・・道場だったんですか？・・・・」

「ぶつぶつ言ってないで。ほら、まずこの写真から江利子さまの手がかりを捜すのよ。」「そう言われても、江利子さまと抱えられた菜々ちゃんしか写っていませんわよ。」

「つづく。」
「えーーー、こんなの続くんですかあぁ？」