【76】 四字熟語緊急指令騒動  (春霞 2005-06-21 22:46:39)


『おはよう諸君。
 さて本日の指令だが、君たちの身近な人や関り合いを四字熟語で表現してくれたまえ。
 その際生ずるいかなる突発的事態についても、当局は一切関知しないので、そのつもりで。
 それでは、諸君の健闘を祈る。
 なお、このテープは自動的に爆発すr---』

Kh(/\_~+wo#$&%'>P`O==@[ML!!!!  ぶん。

 ポポン

「おのれ、まさか本当に爆発するとは。侮りがたし、長官。 ふふん、売られた喧嘩は買いましょうとも。 何を企んでいるか知らないけど、やってやろうじゃないの」
「…本当にやるの? なんだか嫌な予感がするなぁ」
「まあ、楽しそうね、乃梨子。」
「はい、やりましょう。お姉さまがお望みとあらば。 ほれ瞳子、あんたも参加しな。 大丈夫。四字熟語なんだから、ドリルだけは無い。」
「…私とドリルとは何っっっの関係も御座いませんが、乃梨子さんが其処まで懇願するなら、参加して差し上げましょう。」
「いや、懇願してないって。」

その後、波乱の予感に怯える祐巳に説得され、取り敢えず、ルールについて話し合いが持たれた。
四字熟語だけを述べる。と言う事で妥結し何とか平穏なリクリエーションに成りそうだったが。
甘くはなかった。

・・・

「では、まず私から」志摩子さんを見つめながら、熱く囁く。
        愛縁奇縁
「まあ、乃梨子ったら。 では私も」お互いの眼差しが触れ合って。
        拈華微笑

「って、こらそこ。なに二人の世界を作ってるのよ。 もう次、祐巳さん。」
「えっえっ、私? じゃあ」由乃さんをちらりと見て。
        夫唱婦随
「では、私も」
        令狸質素
「瞳子ちゃ〜ん。それって、やっぱり私がお姉さまに釣り合ってないってこと?」うりゅうりゅ。
「瞳子ちゃん、あなた若しかして、令ちゃんを馬鹿にしているのかしら?」ぎらり。
「何の事でしょう。ちょっと字を間違えただけですわ。」ぷい。

「まあまあ、次は由乃さまの番ですよ。」
「じゃあ、」ぐいと立ち上がり、おもむろに胸元に親指を突き立てると
        猛虎伏草
「うわ、言い切ったよ」
「な〜に〜か〜し〜ら、の〜り〜こ〜ちゃ〜ん」
「いいえ何も。 では」にっこり微笑んでスルー。流石だなぁ。
        羞月閉花
「と、言いたい所ですが、由乃様に何か言われそうなので」志摩子さんに微笑んだ後、きりりとして続ける
        桂玉之艱
「え〜え〜、誰の事?」
「哀れな。」
「祐巳さま、見損ないました。」
「…………」ああ、そんな目で見ないで〜志摩子さん。あう、えうぅ。
「なんだか、一部の友情にひびが入りそうね、これまでにして置きましょうか。」
「そうね。もう帰りましょうか。」
「ちょっと物足りないけど、お姉さまがそう言うのなら。」
「ほら、しゃっきりして下さいまし、祐巳さま。」
「あう〜、えう〜、だれ〜?」

翌朝、昇降口でバッタリ会った元クラスメートに平身低頭する紅薔薇のつぼみの姿が有ったとか、無かったとか。


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