「ごきげんよう。 学校にはよく七不思議と言う物がありますわ、ご多分にもれずこのリリアンにもそのような話があるのですわ」
「誰に向かって言ってんのよ…」
「今回は、それを究明しようと言う話ですわ」
「だからって、夜中に学校に来るこた〜ないでしょ」
「ノリが悪すぎですわ乃梨子さん。 最近は長いSSが多いからこういう小ネタ的な物は手短にするという配慮をしなければならないのですわ」
「はいはい、みんなを敵に回すみたいな発言はやめますよ。 さっさと済ませましょ」
「そうそう、それでいいのですわ。 まず最初は、3階の西階段ですわね」
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「さあ〜、着きましたわ。 ここはおなじみですわね」
「……って言うかありがち…」
「も〜〜、しゃんとしてくださいませ。 階段と言えば『普段は十二段なのに夜中に数えると十三段あってそれを数え終わると踊り場にある鏡があの世につながって連れて行かれる』バリエーションはいろいろあるようですが、さあ〜乃梨子さん数えてくださいな」
「1,2,3、……」
「乃梨子さん、この場で数えてどうするんですの? ちゃんと一段一段登って数えてくださいまし」
「……いいじゃん、ここからでだって数えらえるんだし」
「だめですわ! それでは”踊り場の鏡”があの世につながっているか確かめられませんわ!」
「……自分で行きなよ…」
「え? いや、その〜…… え!? あ〜〜〜〜〜、押さないでくださいまし……し、しょうがありませんわね〜、怖がりなんですから……。 一段 … 二段 … 三段 … の、乃梨子さん……帰っちゃ嫌ですわよ……」
「あ〜、見ててやるから、さっさと数えて」
「… 四段 … 五段 … 六段 … 七段 ……な、なんでしょう? ドキドキしますわね」
「運動不足?」
「そんなことありませんわ! 演劇部で鍛えていますもの! 八段 …… 九段 ……… 十段 ………… 十一段 ……………」
「ペース落ちてるじゃない。 サクサク行こうよ」
「わ、分かっていますわ!! た、ためですわよ! あっさり終わっては面白くありませんもの」
「がんばれ〜、あと二段で瞳子はあの世行きだよ〜」
「クッ…人事だと思って…はぁ〜ふぅ〜〜、はぁ〜ふぅ〜〜、はぁ〜ふぅ〜〜……いきましゅわぁ〜」
「なに緊張してんのよ」
「……… 十二段 …………………… 十 …… 三 … だ ……… ん ………」
「……お〜〜い、どうなった〜〜?」
「……な、なんとも……ありませんわ…ね……」
「七不思議なんてそんなもんだよ。 だいたいここホントに普段十二段なの? 夜中に数えに来る暇人なんてそうそういやしないでしょ? ”願い事がかなう”ならまだしも」
「普段使わない階段ですし、いちいち数える訳ありませんけれど……、そんなもんなんでしょうか?…… い、いえ! まだまだ続きがありますわ! 次に行きましょう次に!」
「あ〜もうそんなに急がなくってもいいじゃない。 ………残念だったわね、久しぶりの獲物だったのに……もっとも、私の目の届く所で好き勝手させる気は無いけどね」
「乃梨子さん! なにをされているんですの、早くいらしてくださいな!」
「あんまり大きな声出すと守衛さんが来るわよ! ……あんたも早い所どこか行くことをお勧めするわ」
「ホントに、次はなんとか七不思議レポートにして見せますわ!」
「だから、怖い思いをするのは瞳子だけじゃない……」
「次回こそお楽しみに! ですわ!!」
「まだ続かせる気なの?」
〜〜〜〜 続く…… 〜〜