【816】 マリア象桂さん前途多難  (Y. 2005-11-07 21:53:26)


朝いつもより早く学校についた桂はお祈りをするためにマリア像の前で手を合わせる。


――祐巳さんに思い出してもらえますように・・・・・・

――苗字がつきますように・・・・・・


かなり切実のようだ。

(ム・リ・よ♪)

頭に響く声。
あぁ、疲れてるな、と思いながら目を開けるとそこには象がいた。
背中にド派手な布をかけて。
マリアさまがいらっしゃるはずの台座の上に、ちょこんと。
でも足場が小さいようで、かなりプルプルいってる。

――あぁ、まだ私寝てるんだ。起きないと・・・・・・

(ちょっとちょおおっと待って! 夢じゃないから、ね?)

――あぁ、夢見てる上に幻視幻聴までしてるよ。マリアさまが象さんになって、私が夢であうあうあう

(いや、アレはお隣に住んでるブッちゃんのペットを借りてきたのよ。ちょっと一日私の代わりに祈られてもらおうと思ってね。ま、そんなことは置いといて、体、借りるわね?)

――え?




そんなことをほざいた自称マリアさまの『やっほー、意外と簡単に成功したわ♪』とのありがた〜いお言葉を聞きながら、私の意識は暗闇に落ちていった・・・・・・


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