このSSを書き終わった後、ん? そういえば何か同じような話が原作にもあったような、と探してみたところ「黄薔薇注意報」の内容をかなり無視して書いていることが判明しました。ですので、この作品はそういったのが気にならない人だけお読みになってくれたらと思います。(長々とすみません)
由乃が姉である令ちゃんがいる剣道部に入って約一月がたとうとしてた頃、由乃の機嫌はかなり悪かった。
その原因は、ここ最近、剣道部で展開されていることに原因がある。
元々、部活では令ちゃんは由乃に対してあまり相手を、もとい近づいてさえこなかった。しかも、最近ではそれは特に顕著になっていた。
むろん、ヘタレな令ちゃんのこと。下手に由乃に近づいて部活で由乃を甘やかしてしまうと他の部員に示しがつかない、ということからそうしていたのはわかる。
それは納得が出来る。
だが、納得できないこともある。
(どうしてちさとさんばっかりかわいがるのよ!!)
そう、由乃がどうしても納得出来ないのは、明らかに令ちゃんがちさとさんと一緒にいるのを見かけるからだ。
初めのうちは、ふーん、令ちゃんとちさとさんとがね、ぐらいにしか思わなかったのだが、こうも一緒にいるところを見せ付けられると流石におもしろくはない。
これがちさとさんだけではなく、色々な人と一緒だったらまだ由乃にも納得がいきようもの。しかし、現実には令ちゃんはちさとさんばかりとよく一緒だった。
(まったく! どういうことよこれは!)
と、由乃の信号が青に変わりそうなその時。
ぽか!
「ほら、由乃さん。手が止まってるわよ!」
と、よりにもよって機嫌を悪くしてくれる張本人から竹刀で頭を軽くだがこづかれたので、由乃の機嫌はすこぶる悪くなってしまった。
「何をするのよ! ちさとさん」
「何をするの、ですって? それはこっちのセリフ。由乃さん、さっきから手が止まっているけど素振り50回はもう終わったの?」
「お、終わったわよ」
嘘だ。まだ40回ほどしかやってない。だが、由乃の機嫌を悪くしてくれた張本人であるちさとさんを前にして正直に言えず、由乃はつい嘘をついてしまう。
「ふざけてんの、まだ42回でしょ」
「なっ、数えてたの!」
なんて意地悪なんだろう。由乃は嘘を指摘されたのもあって半ば逆恨み気味にそう思った。
だが、そんな由乃に対してちさとさんは追求の手を緩めない。
「あたりまえでしょ。わたしはあなたの指導役なんだから。いいかげんにされたらこっちも迷惑なんだけど」
由乃にとって大変不本意&腹立たしいことに、ちさとさんは由乃の指導役でもある。
そして今この広い道場には由乃とちさとさんしかいなかった。これも最近ではよくある光景。
それは何故かというと。
「まったく、居残り練習につきあってるこっちの身にもなって欲しいわね」
そう、その理由は練習後ちさとさんは頼みもしないのに由乃に補習という名の居残り練習を与え、それをずっと監視している。それはもう意地悪小姑のように。
初めに、それなら令ちゃんに見てもらう、と言ったが、ちさとさんは、ここではあなただけの令さまじゃないのよ、と鼻で笑いながら却下した。由乃はそういわれたとき思わず、んなことわかってるわよ! とキレそうになった。
そのようなことは言われるまでもない。だが、改めて指摘されるとやはり腹は立つ。
「どうしたの、だんまりして。なにか文句があるのなら言えばいいじゃない」
明らかにそれは売り言葉。そしてそのようなことを言われて黙っていられる由乃ではない。
「うっさいわね! どうせあんたも心の中では私のこと馬鹿にしてんでしょ!」
「ええ、思うわ。どうしてこんな人が令さまの妹なんだろう、って」
由乃はカチンときた。よりにもよって令ちゃんの名を出すとは。
「令ちゃんは関係ないでしょ! どうしてここで令ちゃんが出てくんのよ!」
「関係ないこと無いわ。由乃さんあなた、自分では意識してなかったかも知れないけど、自分が困ったときなんかに令さまに助けを求めるかのような視線を向けてるでしょ」
それは、なかなかに由乃にとって痛いところをついてくれた。でも、それは認めるわけにはいかない。特に目の前のちさとさんには。
「そ、そんなことないわ」
「絶対にないといえるの? わたしは令さまの妹なんだから大事にして、って一度も思わなかった?」
「そ、そりゃ、絶対にない、とまではいえないかもしれないけど」
「あなたが令さまに助けを求めようとするたびに、令さまがどれだけ困っているのか分かる、由乃さん?」
「ちょっと待ってよ、どうしてあなたにそんなことわかるのよ。だいたい令ちゃん、私のこと全然助けてくれないじゃない」
そうだ、そこがまた由乃の腹立たしさを増長する原因の一つでもある
令ちゃんときたら道場では由乃に対して厳しい、というより冷たい態度を崩さなかった。それどころか無視さえしてくるときもある。
そりゃ、令ちゃんはみなをまとめなきゃいけない立場だからから、わざわざぺーぺーである由乃のことを見てはいられないかも知れないし、初めに姉としても従妹としても庇えないと、クギを刺されたのも認めよう。でも、まさかあそこまで冷淡にされるとは思わなかった。
(ふん。確かに令ちゃんが剣道部に入部を反対してたのを無視して入ったのは認めるけど、だからといって意趣返しにかわいい妹を無視するなんて、いくらなんでも酷すぎない)
由乃がそうぷんすかと怒っていると、ちさとさんから冷水をあびせるような言葉を浴びせられた。
「違うわよ。助けられないから困ってるじゃないの」
「え?」
「あなたの入部することが決まった時、令さまはみんなの前で宣言したわ。みんな、もう少ししたら自分の妹である由乃が入部することになるのだけど、だからといって絶対に特別扱いしないで、って」
「そんなこと言ったの、令ちゃん?」
「ええ、わざわざミーティングの時にみなの前でね。私には、部員のみんなに言うことによって自分に制約をかけているように見えたわ」
「ふん、そんなわけないじゃない。令ちゃんがそこまで考えているもんですか」
由乃がそう言うと、ちさとさんはほとほと呆れたような顔を由乃に向けてくる。
そして溜息をついた後、ゆっくりと口を開いた。
「由乃さん、やっぱりあなた馬鹿ね」
「なんですってー!!」
どーん!!
この失礼極まりない対応。いかにこの由乃さんの慈悲の心が深かろうが許せるものではない。
由乃は体中から「怒」というオーラを発しながらちさとさんに迫った。
「上等じゃないの、ちさとさん。どうして私が馬鹿なのか納得させてもらおうじゃないの。言っとくけど、さっきのはなし、は出来ないわよ」
しかし、由乃のその剣幕にも肝心のちさとさんはまるで涼風を受けたぐらいの余裕うの表情を浮かべていて、それがまた由乃の癇に障った。
「ねえ、聞いてるの、ちさとさん!」
「聞いてるわよ。いいわ。ぐうの音が出ないくらい納得させてあげるわ」 」
(納得させてあげる、ほほう、なら納得させてもらおうじゃないの!)
「これを見て頂戴」
ちさとさんは、はい、といって由乃に何枚もの紙きれを渡してきた。
ひょい、と由乃は受け取る。
「ん、なんなのこれ?」
由乃はその紙を見て首をかしげる。
そこには剣道の練習方法が細かく指示されていた。
なんだこれ、意味がわからない。いや、その意味自体はわかるのだが、なぜここでこのような内容の紙がちさとさんから出てくる理由がわからない。
「ちょっと、ちさとさん。これってどういう意味?」
「あーあ、それを見ても何も感じないんじゃ令さまもかわいそうだわ」
「なっ! どういう意味よ」
「言葉どおりよ。もう一度その紙をよく見てみなさい」
よく見ろって、何度見ても変わらないわよ。
だが、その紙に書いてある内容を、いや正しくはその文字の書体を見て由乃はあることに気がついた。
「これって、これ書いたのひょっとして、令ちゃん?」
ひょっとして、などといってるが、由乃は確信していた。これは間違いなく令ちゃんが書いたものだ。
「そこまで耄碌してなかったようね。そうよ、それを書いたのはまぎれもなくあなたの姉である令さま」
「で、その令ちゃんが書いたこの紙と、さっきのちさとさんの話とどういう関係があるの?」
由乃がそういうと、今度こそちさとさんは呆れたような顔を浮かべていた。
「気がついたのはそれだけ、由乃さん? あなた、ほんとうに馬鹿?」
なっ!
完全に由乃の許容範囲をリミッターが漫画のメータの如く軽く3回転ぐらいブッチぎってしまった。
(いくら部活の先輩でお世話にはなっていても、そこまで言われる筋合いはないわよ!!)
「ちさとさんっ! ……」
今度こそ由乃は爆発しそうになったが、ちさとさんの表情を見て止めてしまう。
何故なら、由乃はちさとさんの表情に言い様もない悲しさを見出したから。そう、一度だけ見たあのときと一緒の悲しみをその顔に。
「どうしたの、由乃さん? そこで終わり?」
「う、うっさいわね」
(悲しいのはこっちなのに、どうしてあんたがそんな顔してんのよ!)
その顔に無視できないなにかを感じた由乃は、もう一度さきほどの紙に目を通す。
(なになに……○月○日 基礎練習もようやく形になってきたので、少し早いかもしれないがそろそろ素振りなどをやらせて見るのもいいかもしれない。まずは、素振り50回ぐらいが妥当か。が、これはもちろん基礎練習と併用してのこと。基本をおろそかにしては絶対にいけないからね、と)
そこまで読んで、由乃の動きは止まった。
(○月○日って、確か)
その月日を見たとき、由乃はあることを思い出した。
(たぶん、だけど、私がはじめて竹刀をもった日、だよね)
由乃は慌てて先を読む。
○月○日 少し竹刀に振り回されている、といった感じか。雑巾しぼりもよく出来てないし、少し先に進むのが早かったかもしれない。出来るだけ客観的に見てきたつもりだったが、まだ甘かったみたいだ。反省。ただ、あくまで慣れの問題だとも思うので、基礎練習さえ疎かにしなければきっとよくなると思う。なので、しばらくは基礎体力の向上に努めてもらって欲しい。まずはマラソン2キロ……いや、1キロぐらいで。
(○月○日って)
由乃は記憶の糸を引っ張り出す。
(そうだ、もう毎日、これでもかっていうくらい走らされた時のころだ)
せっかく竹刀を持てたのも束の間、いきなりちさとさんから、それじゃあ軽くランニング3キロいって来て、と言われ。毎日馬車馬の如く走らされた。
由乃は他のメモも目を通す。
(あれも、これも、やっぱりこれ全部)
由乃が全てのメモに目を通し終わりそうになった時、頃合を見計らったかのようにちさとさんが声をかけてきた。
「で、感想は?」
「感想たって……今のところ何も」
ウソだ。言いたいことは一杯ある。だが、あまりにもいろんなことが頭の中を渦巻いていて答えが容易にまとめれなかった。
ただ、ひとつだけわかったことはある。ちさとさんには口が裂けても言わないが、確かに由乃は馬鹿だったかも知れない。
そんな由乃をよそに、ちさとさんが話し掛けてきた。
「由乃さんが剣道部入るってきまったとき私令さまから、話があるのだけど、って呼ばれたの」
由乃は、その内容がなんとなく想像できた。
「ひょっとして、令ちゃんから私の面倒をみて、って頼まれたの?」
「要約すればその通りね。令さまからこういわれたの、今度、私の妹が入部するのだけど、ちさとちゃんよかったら面倒見てあげてくれない、って」
「あなたはそれを引き受けたわけね」
「初めは正直言って迷ったけどね。剣道のケの字も知らない素人のお守。しかもそれがよりにもよってあなたなんて」
ちさとさんは、剣道のケの字のケを強調して言ってくれた。
由乃はついそれに反応して、反論めいた事を口にした。
「ふん、なら何で引き受けたのよ。私だってあなたに面倒なんて見てもらいたくなかったわよ。って、そうだ! だいたいこのメモには1キロって書いてんのに、あんたいつも3キロって言ってたじゃない!」
「あら、1キロなんて今日日小学生でも鼻歌歌いながら走るわよ。せっかくだからサービスしといたわ」
サービスですって、こりゃまた言ってくれるものだ。間違いなく意地悪で言ったに違いない。
「ふん、おかげさまで体力は嫌でも上がったわよ」
だが、由乃が嫌味で言ったことに対してちさとさんから返ってきた言葉は意外なものだった。
「そうね、日に日にタイムが向上していたものね。令さまがすごく喜んでたわ。まあ、私も好悪の関係なしで教え子が頑張ってるのを見るのは悪い気はしなかったし」
(悪い気がしなかった? なんで? あと、タイムが向上ってどうしてわかるの?)
「タイムって、そんなのなんで分かるの?・・・・・・まさか、計ってたの?」
由乃がそう聞くと、ちさとさんは呆れたような顔をしていた。
「あたりまえでしょ。基礎体力がついかどうか確かめるのに、タイム見ないで何を見て確かめるっていうのよ」
「い、いや、てっきり意地悪でやったのかと」
ちさとさんは思い切り眉を吊り上げてきた。
「ふざけないで! いくらあなたが好きじゃないからいってそこまで人間落ちぶれてないわよ! だいたい一生懸命にやっている人間にそんな事やるなんて、人間のクズよ!」
流石に自分の暴言を自覚した由乃は、ちさとさんに謝罪を述べる。
「ご、ごめんなさい、ちさとさん。馬鹿なこと言ったわ」
「……いえ、こちらも興奮してごめんなさい」
本当に馬鹿なことを言ってしまった。でもまさか、ちさとさんと令ちゃんが由乃に対してそのようなことをしてくれたなんて。
先ほどの言葉で、もうひとつ気になることがあったのでちさとさんに聞いてみることにした。
「ひとつ聞きたいのだけど、さっき言ってた、一生懸命にやっている人間、ってまさか私のこと?」
由乃がそう言うと、ちさとさんはつっけんどんに由乃の方に一枚の紙を押し付けるように渡してきた。ただ、その顔は少し赤かった。
由乃はその紙を受け取り中身を見てみる。そこには約1月分の日付、そしてその隣には数字のようなものが記されていた。その数字は、最初の日付と最近とので見比べると明らかに短くなっていた。
「ちさとさん、ひょっとしてコレって?」
「ふん! 見りゃ分かるでしょ由乃さんの3キロマラソンの記録よ。どう、自分でもよくわかるでしょ。速くなった、って」
確かにちさとさんの言う通り、最初のころと最近のタイムでは約3分ほど短くなっていた。むろん、元々体力の無かった由乃なので最近のタイムでもまだまだ部員の平均値以下だろう。
でも、大切なのはそこではない。
「いい気にならないでよ。上がったとはいえタイム自体はまだまなんだから。・・・・・・でも、正直なところたったこれだけでここまで早くなるなんて想像も出来なかったわ。私も、そしておそらくは令さまも」
そう、大切なのは向上心。すなわち昨日の自分に、明日は今日の自分に打ち勝つこと。その上を目指す気持ち。そしてなによりも自分の頑張っていることを知ってくれている人がいること。
由乃は剣道部では自分のことなど誰も省みてくれてないと思っていた。でも、違った。いたのだ。こんなにも身近に意外な人物が、そしてなにより自分をずっと気にかけてくれた姉が。
「令さまが言ってきたわよ。道場に一歩でも入った時から、わたしと由乃はスールではなくただの部活の先輩と後輩に過ぎない。だけど、自分はまだそこまで達観できないから、その日の練習メニューをちさとさんに託すことでどうにか自分に折り合いをつけたい、って。……正直、物凄く妬けた。もう胸が張り裂けそうになったわ」
由乃は、先ほど答えが聞けなかった質問をする。
「なら、なんでその役目を引き受けたの」
由乃がそう言うと、ちさとさんは少し寂しそうにしながら自嘲的に笑ってきた。
「……やっぱり、令さまと少しでも繋がりがほしかったから、かしらね。自分でも未練がましいとは分かってるけど。ふふ、笑ってもいいわよ」
「そんなの、笑えるわけ無いじゃない」
笑えない。笑えるわけがない。
ちさとさんは由乃と立場が違う。ちさとさんは令ちゃんの幼馴染ではなく、妹でもない。けど、ちさとさんはある部分で由乃と共通点がある。それは、令ちゃんが好き、ということ。
そのちさとさんを笑うことは、鏡に映った由乃自身を笑うことに他ならない。
「ふふ、相変わらずそういうところは優しいわね。ごめんなさいね、グチみたいなの聞かせてしまって」
「ううん、いい」
それから二人は何も喋らなくなった。
静寂という世界が二人を包んでいると、ちさとさんがすっと由乃の方に右腕を差し出してきた。
どういう意味かと由乃が怪訝に思っていると、ちさとさんは由乃に意地の悪そうな笑顔を向けてくる。
「どうしたの、せっかく、これからもよろしく、ってこっちは思っているのに。いくら私の方が剣道が上手いからって遠慮することは無いのよ。これからも私の指導を受け入れる勇気があるのなら、だけどね」
その差し出された腕の意味を察した時、由乃も挑発的な笑顔をちさとさんに返す。
(ふん、いってくれるじゃないの)
がっ!
由乃は、力強くその差し出された手を握った。もうこれでもかっていうくらい力いっぱい。
「望むところよ。いい、言っとくけどね、わたしこれからもっともっと強くなって、ちさとさんより先にレギュラーになるんだから!」
由乃が決意の意を込めてちさとさんに宣言すると、ちさとさんは苦笑を浮かべていた。
「ふふ、由乃さんがレギュラーになったらうちの部もお終いね」
「なっ!?」
せっかく人がやる気を出して言ったのを茶化すだなんて。由乃が爆発しそうになると、ちさとさんが続けて口を開いた。
「でもまあ、その時は私が大将にでもなって不甲斐ない弟子の尻拭いをしてあげるから安心して」
由乃は、その言葉を聞いて目をまん丸にした。
(大将? まだレギュラーにもなっていない人が?)
冗談かと思ったが、ちさとさんの目は本気だった。由乃は悟った。先ほどの言葉は決して茶化したわけじゃあなかったということが。
ちさとさんは、由乃にこう言ってるのだろう。今のままではレギュラーなんて無理だからもっと頑張りなさい、と。そして同時に自分にもハッパをかけているのだと思う。自分も少しでも令さまの元に近づいてみせるから、と。
由乃は、ニヤリとしながらちさとさんに返した。
「そうね。仮にも私の師匠筋にあたるんだからそれぐらいなって当たり前よね」
「ええ、あなたも令さまの妹なんだからレギュラーぐらいならないとね」
「ふん、余計なお世話よ!」
口調はきついが由乃は笑っている。ちさとさんも笑っていた。
ここに、二人の誓約が交わされた。
一人はレギュラーを目指し、もう一人はさらにその上を目指す。
互いが互いを高める為の誓約。
もちろん、来年に由乃とちさとさんがレギュラーになっているかなんて保証なんて無い。いや、どちらかというとその可能性は今のままでは低いと言わざるを得ない。だけど、あきらめたらそれこそそこで終わってまう。
だから、頑張ろう。昨日より、今日を。今日より、明日を。
「よし、頑張らなくっちゃね!」
終わり。
本来でしたら、セリフ内の令ちゃんをお姉さまと言うのが正しいのかもしれませんが、令ちゃんの方が響きがよかったのであえてそうしました。
長くて申し訳ありません(汗