なんかもー、めちゃくちゃです。
最近、時空が非常にオカシイ。二条乃梨子は目の前の……というより、眼下の光景に、何もかもが嫌になった。とくに作者が。
『ごきげんようなのだ。』
「………………」
そこに居たのは、わずか十数センチあるかないかの小さな物体……もとい、生物である。しかも、乃梨子にそっくりなネズミ化の生物、ぶっちゃけ乃梨子型ハムスターである。しかも喋るし。
「……どこをどう間違えたら、私が人間じゃなくてハムスターになるんだよ…」
目の前でクシクシとやっている生物に軽く絶望を覚えながら、乃梨子は呟く。
というか、ありきたりだなー。とっとこときて、そのままハムスターとか出すなよ、作者。ハムスターな私……全然似合ってない…。
心中で作者に毒づくが、どうにもならない。そんな理不尽な世界。
「…ねえ、そこのリコスター。私なハムスターがいるって事は、志摩子さんなハムスターもいるんでしょ?」
とりあえず、この事態を打開するために、動き始める乃梨子。
『志摩子さんなハムスター?いないよ、そんなの。』
「えっ?」
意外な展開に驚く乃梨子。
だって、私ときたら志摩子さんじゃない!と心の中で叫んでみても、決してそうならない不条理な世界。私だけハムスターにして、志摩子さんがセットじゃないなんて。
このファッキン作者!死んzya
「……はぁ〜。ねぇ、あんたこれからどうするの?」
もう色んな事が欝になってきたが、とりあえず、自分なハムスターをどうにかせねば、とリコスターに聞いてみる。
『うーん……分かんない。』
「分からないって、あんた、自分の事でしょう?」
自分の事なのに、全く気にしないリコスター。どうやら、天然も入っているらしい。
とそこに、誰かがやって来る。
「ごきげんよう、乃梨子」
「志摩子さん!」
最愛の姉の登場に、さっきまでの欝さなんて、みじんも見えなくなるくらい明るくなる乃梨子。だが、そうは問屋がおろさない。
『ごきげんようー。』
志摩子を一目見た瞬間に机からジャンプして志摩子に飛び付くリコスター。
「ちょ!あんた!何、志摩子さんに飛び付いてるのよ!」
『志摩子さーん、私行くとこないのー。』
「あらあら、今度はハムスターなのね。じゃあ私が飼ってあげるわ。」
「し、志摩子さん?」
こうして、リコスターはしばらくの間、藤堂家に飼われる事となり、その間、乃梨子は嫉妬に狂うのであった。