がちゃS・ぷち
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No.3896
作者:ジャックフロスト
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2020-06-07 11:19:41
萌えた:2
笑った:5
感動だ:0
『お姉さま』
【No:3895】の続き
薔薇の館からの脱出計画編
マリア祭も過ぎ忙しくなくなったのでそろそろ解放されるのでは?と期待していたある日のことである。
私は名案を思いついたので大丈夫そうな人に相談することにした。
「令さま、なぜ私には姉妹の申し込みがないのでしょうか?」
「うーん私にはわからないな」
「私はわかるわよ」
そう由乃さんが言ってくれた。
「本当由乃さん!?」
「ええ、一つはずばり黄薔薇さまの存在よ」
「江利姉の?」
「祐巳さんと姉妹になるってことは黄薔薇さまと関係を持つことにもつながるのよ。
それで敬遠されるのだわ。とにかく薔薇さまは存在が大きすぎるからね、あんなでも。」
「なるほど…あんな?」
「あらいやだ言葉の綾ですわ」
由乃さんはそう言って笑った。江利姉と由乃さんは令さまを取り合うライバルである。
「じゃあ令さま、妹にしたいと感じるのはどんな人です?」
「うーん、由乃以外妹にする気なかったからあまり考えたことないなぁ」
「令ちゃんに聞いても無駄よ無駄」
「じゃあ由乃さんはどんな妹欲しい?」
「まだ1年生になって2か月くらいしかたってない人に聞く?普通」
「そこは想像力でカバーしようよ」
「分かったわよ…うーん、面白そうな子がいいかしらね」
「じゃあ私は違うね、私癒し系だし」
「祐巳さんは完全にお笑い担当でしょ?癒し系は志摩子さんに譲りなさい」
「…今はそんなことより妹にしたくなる子の話だよ!」
「納得しちゃったから現実から目をそらしたわね」
「妹にしたいといえば新聞部でランキングやってなかった?」
令さまはそう言ってリリアン瓦版をとりだした。
「そんなのあったわね」
「私読んでないからわからないや」
私は読まない派なのである。
「えーとなになに、1位島津由乃!?これ間違えてない?」
「祐巳さん後でぶん殴るわよ!」
「だっておとなしそうとかおしとやかとか書かれてるよ?いつもいかに江利姉をぎゃふんと言わせるかってこと一緒に考えてる仲としては同意しかねるよ」
「私病弱なのよ?病弱と言ったらおしとやかでしょ」
「なるほど。ちょっと外でゴホゴホ言ってくる!」
私は外に飛び出した。
「令ちゃん…私手術受けようと思う。あの子と付き合うにはこの体じゃつらそう」
「そうだね…」
「ただいまー」
「おかえりなさい。どうだった?」
「そんなにむせるほど面白いことがあったの?って言われました」
「祐巳さんに病弱キャラは無理よ」
「痛感いたしました」
私はランキングの次の人を見ることにした。
「2位は志摩子さんか。なになに美人、オーラがすごい、柔らかそうか」
なるほど!柔らかさか!となればこれしかない。
「由乃さん、胸大きくするためにはどうしたらいいかな?」
「令ちゃん?これもう殴っていいわよね?」
「よ、由乃落ち着いて!」
ただならぬ殺気を感じたので土下座することにした。
「土下座するリリアン生なんて初めて見たわ」
「え?これ紅薔薇さまに白薔薇さまが良くやってるの見て参考にしたんだけど」
「ノーコメントで」
またリリアン瓦版を見る。
「ねえ、これ私の名前ないよ?」
「祐巳さんはこっちよ」
「なになに」
妹にしたくない子ナンバー1?
はたから見てる分には面白いし可愛いけど自分の妹にするにはちょっと…、山百合会で責任もって飼うべきなどと書かれている。
「私どんな扱いなんですか!」
「さっき一つ目の理由が黄薔薇さまの存在って言ったわよね?2つ目がペット扱いされてるからっていう理由よ」
ぐぬぬこれじゃあ作戦が…
「なんなの作戦って?」
どうやら心の声が漏れていたらしく令さまに聞かれた。
「ふふん!名付けて姉が出来たので薔薇の館の仕事はもうできません作戦です!」
「長いわよ」
「略してABM作戦でどうでしょう」
「どうでしょうって言われても…」
「でもこんな扱いだし姉になってくれる人いなさそうなのでこの作戦は失敗ですね」
「諦めるのは早いわよ。祐巳さん」
「由乃さん…」
「一人いるわよ。なってくれそうな方」
「え、だれ!?」
「祥子さま」
「なるほど!祥子さまさがしてくる!」
そう言って私は飛び出した。
「…ねえ令ちゃん。祐巳さんってもしかしてちょっとあれなのかしら?」
「うん、たぶんそうだね…」
「「祥子(さま)をにしたら紅薔薇のつぼみの妹になるから薔薇の館に留まることになるのに」」
祥子さまに会ってから、祥子さまの妹になったら紅薔薇のつぼみの妹になる事実に気づき、祥子さまとおしゃべりをして祥子さまのおうちに遊びに行って帰ってきた。
(コメント)
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