がちゃS・ぷち

[1]前  [2]
[3]最新リスト
[4]入口へ戻る
ページ下部へ

No.3859
作者:奏葵
[MAIL][HOME]
2016-06-28 21:05:44
萌えた:10
笑った:8
感動だ:5

『触れあう心』

マリア様がみてるif
  太陽と聖女


【No:3853】【No:3854】【No:3856】【No:3857】【No:3858】の続きです。


今日からゴールデンウィークに入った。
普通であれば喜ぶところなのだが、あいにく私には予定が全く入って無い。
予定についてはここしばらく(といっても3日程度だが)山百合会の仕事をしており忙しくて組めなかった。
まったくお姉さまにも困ったものだ。本当に扱き使ってくれた。

そういえば山百合会といえば新しい仲間が加わった。
蓉子に妹(プティ・スール)が出来たのだ。
出来たのはいいがおかげでお姉さまが意味ありげに見てくるようになったが。

まあそれはさておき。
名前は小笠原祥子。小笠原グループ会長の孫娘。正真正銘のお嬢様だ。
能力面もかなり優秀そうだし、この分だと楽ができそうだ。
性格は少しとっつきにくそうな印象受けた。
なんせ笑わない。祐巳ちゃんぐらいとは言わないがもう少し笑ったほうがいいと思うが。

祐巳ちゃんか・・・。
そういえば最近会っていない。
栞とは廊下ですれ違うぐらいはある。会えば話もしているし。

「そうだ、会いに行くか」

思い立ったが吉日、ではないが会いに行こう。
以前住所は聞いているし、何とかなるだろう。


栞と3人でデートできればいいな〜、むふふ。なんてことを考えながら出かける聖であった。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



ゴールデンウィークが始まり予定の入っていない祐巳は家でゴロゴロしていた。
休みの日は相変わらずだ。
ベットに寝転がり、至福の時を過ごしているとチャイムが鳴るのが聞こえた。
両親は買い物に出かけており、弟の祐麒は友達と遊びに行っている。栞はお祈りだ。
仕方なく対応するため玄関を開けるとなんとそこには聖がいた。

「ハロー、祐巳ちゃん」

「聖さま!?なんでこんな所にいるんですか?」

「会いに来たの」

白い歯をキラリと光らせるような笑顔で答える聖。

「・・・」

どう対応すればいいか分からず、もうドア閉めようかなと考える祐巳だった。

「こらこら、もうちょっと歓迎してくれてもいいんじゃないの?しかもドア閉めようとしない」

「あっ、ごめんなさい、無意識でした」

実際に無意識のうちに閉めようとしていた祐巳だった。

「む、無意識だったんだ。ま、まあ別に怒ってないよ」

いつまでも玄関で会話するわけにはいかず

「よければ上がりますか?」

「いいの?じゃあ遠慮なく〜」

予想はしていたが本当に遠慮せず上がりこむ聖だった。


リビングに聖を通すと、一応客人なのでお茶を出すことにした

「コーヒーか紅茶どちらがいいですか?」

「気にしなくてもいいのに、でもできるならコーヒーで」

祐巳が準備している間に早速ソファーでくつろぎ始めている聖であった。


「どうぞ、インスタントですが」

「ん、ありがと」

コーヒーを受け取り疑問を口にした。

「そういえば家族の人は?」

「両親は買い物です、あと弟は友達と遊びに行ってて・・・」

「祐巳ちゃん弟いたんだ」

「あ、はい弟と言っても同級生なんですが」

「双子?」

「いえ、年子なんですけど4月1日に生まれまして」

「ああ、滑り込んだんだ」

「はい」

「なるほどね」

「あと栞ちゃんはお御堂に行ってます」

「お御堂に?お祈りに行ってるの?」

「お祈りもそうですけど今日は午前中にマリア祭の準備をするみたいで結構早く出ていきましたよ」

「栞もいないんだ、う〜ん」

「どうしますか?」

「よし学校に行こう!!」

「へ・・・?」

「なにいってらっしゃいみたいな顔してるの祐巳ちゃん」

「え・・・、もしかして」

「うん。そのもしかして。祐巳ちゃんも一緒に行くの」

「えぇぇ〜、本当に?」

「うん。本当。そら準備した。あと私服でいいから」

「私服で学校に行くんですか?」

「栞を迎えに行くだけだからね。その後一緒に遊ぶから」

「はぁ。分かりました」

「あと栞の服もお願いね〜」

「うぅ。本気で行くんだ聖さま」

こうして準備に追われる祐巳だった。



2人は学校に着き、中等部の校門に向かった。
守衛が居たが祐巳と聖の顔を覚えており私服だけど入れてもらえた。
そこからは教師に見つからないように移動し、無事お御堂に到着したのだった。

「やっと着いた・・・」

いつもの倍体力を消耗した感じの祐巳。

「あはは、スリルあってよかったじゃん。探偵の真似事みたいでさ」

無駄に元気な聖。どうやら校則違反と分かってるようだがむしろ楽しいらしい。


お御堂の入り口から中を覗き込む2人。

「栞ちゃんいないですね・・・」

「あれー、本当だ、すれ違ったかな」

中を探してもいるのは数名のシスターだけだった。
何かの作業をしているようだから準備はまだ終わって無いようだが。
いないな〜と中を覗き込む2人の後ろから近づく人影があった。

「2人とも何をしているの?」

その声に反応し振り向くとそこには目的の人物が立っていた。
手には空のゴミ箱を持っているのでどうやらゴミ捨てに行っていたようだ。

「「栞(ちゃん)!」」

「どうしたの?それも私服で?」

2人が私服で学校にいることに疑問を呈す。

「栞と一緒に遊びに行こうと思ってさ」

「私は連行された」

「連行ってひどいよ祐巳ちゃん、納得してくれたじゃん」

「まさかお御堂まで私服で来るとは思いませんよ」

「じゃあ、どうやって栞を探すの?」

「高等部の校門で生徒に頼めばいいじゃないですか。一応白薔薇の蕾なんですよね。頼めば引き受けてくれますよ」

それには今気づいた、みたいな感じでポンッと手を打ち

「ああ、その手があったね。だけど祐巳ちゃん・・・」

「はい、なんでしょう?」

「一応ってひどくない?」

「あ〜・・・。あはは・・・。言葉の綾ですよ」

「ゆ〜み〜ちゃ〜ん」

「ひぇー、助けて栞ちゃん!」

栞の背後に回り込む祐巳。
栞を盾にされたことで勢いを削がれる聖。

「むぅ・・・。そうだ!」

いいことを思いついた、と突然栞めがけ突進する聖。

「え・・・、きゃ!?」

驚く栞ごと抱き付き祐巳を捕まえるのであった。

「へへへ。捕まえた♪」

「ふふふ。捕まえられたわね、祐巳」

「あぅぅ・・・。捕まっちゃった」

どや顔の聖、挟まれている栞、無念そうな祐巳であったが次の瞬間には

「「「あはははは」」」

何故か楽しくなり笑い出した3人の笑い声が重なった。

一息ついたところで、

「栞、もう少し時間掛かるの?」

「そうですね、あと半時間ぐらいは」

「そっか、じゃあお昼はどうするの?」

もうお昼前である。

「シスターがお弁当を注文してくれてまして」

「じゃあないのは私たちだけか・・・」

「どうするんですか?」

「よし、買いに行こう」

「どこにですか?」

「学校からちょっと歩いたところに商店街が在るから、多分お惣菜屋さんもあるでしょ」

こうして祐巳をつれお昼を調達に向かう聖であった。


商店街に着き無事お惣菜屋を見つけ昼食を確保した2人。
学校に向かって帰っていると、1人のお婆さんが重そうな荷物を両手に抱えて横断歩道を渡ろうとしていた。
そんなお婆さんに歩み寄る祐巳。

「よろしければお持ちしましょうか?」

すまないねぇ、と荷物を預けるお婆さん。やはり重かったようだ。
そんな祐巳を見ていい娘だな、と感心しつつ手を貸した。

「ほら祐巳ちゃん半分貸して」

祐巳が預かった荷物を半分受け取る聖だが、
その聖に少し驚いた感じのお婆さん。
(私の容姿が珍しいのかな?)
疑問を持ったがその後は当たり障りのない会話を続けお婆さんの家に着いた。
リリアンに結構近い場所にあるようだ。
その後お婆さんからお礼にとお茶に招待されたが人を待たせてあるのでと、辞退し今度こそ学校に向かった。


2人がお御堂に帰ってくると丁度栞も終わったところだった。
3人でお御堂裏に腰を掛け昼食を開始した。
和気藹々と進み食べ終わった頃に聖が

「そうだ栞、着替え持ってきてるから」

「えっ本当に?」

驚く栞にはい、と着替えの入った袋を渡す祐巳。


渋々だがお御堂にある更衣室を貸してもらい着替える栞だった。


その後は駅前に繰り出して聖に振り回されつつも遊び倒した3人だった。


===================================
[あとがき]
今回は聖と栞と祐巳の日常でした。
あともう少しだけお付き合い下さいm(_ _)m


(コメント)
saxuality_660 >[もう少し]と言わず、どんどん if な世界を広げて下さい(*´∀`) 聖×栞の姉妹の契りも気になりますが、(No.77017 2016-06-28 22:26:45)
saxuality_660 >順当な流れだと、栞×志摩子・祥子×祐巳が繋がる気がしますが、そこで[ 近い人]と姉妹になった 令×由乃 と[近いのに別々の人]と姉妹になった栞・祐巳… この関係から 話が広がりそうな予感が(。-∀-)(No.77018 2016-06-28 22:36:44)
saxuality_660 >そうなれば、黄薔薇革命の前に [相手との距離の取り方]を学んでいた栞が鍵に…( ゚д゚)ハッ! 妄想が止まらず 連投してしまったorz(No.77019 2016-06-28 22:45:51)
pinkman7 >聖さまに少し驚いたおばあさん…もしかして春日…ゲフンゲフン…ですかね(No.77420 2020-04-01 23:05:43)

[5]コメント投稿
名前
本文
パス
文字色

簡易投票
   


記事編集
キー

コメント削除
No.
キー


[6]前  [7]
[8]最新リスト
[0]入口へ戻る
ページ上部へ